排出水の分析
納期:3営業日(試料到着の翌日から3営業日で報告書を発送いたします)
注)営業日とは、土日、祝祭日及び、当社が特別に定めた休日を除いた日になります。
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水質汚濁防止法 総量規制
水質汚濁防止法に基づく排水基準(濃度基準)のみの規制では、COD(化学的酸素要求量)等の環境基準達成が困難な、人口・産業が集中する広域的な閉鎖性海域を対象として、内陸都府県を含め、海域に流入する汚濁負荷を総合的に削減する制度のことを水質総量規制と言います。 現在の指定海域と指定地域は20都府県にわたっています。 水質総量規制は、目標年度や発生源・都府県別の削減目標量に関する「総量削減基本方針」を環境大臣が定め、 各都府県知事が同方針に基づいて削減目標量達成のための「総量削減計画」を策定し、その計画について環境大臣の同意が得られて動き出します。 関係する都府県は総量削減計画で設定した汚濁負荷量の削減目標を達成するため、下水道などの生活排水処理施設の整備や、 工場や事業場に対する総量規制基準の設定を行います。 汚濁の著しい閉鎖性海域についての水質環境基準を確保するために、工場などの排水に含まれる汚濁物質量を、濃度ではなく含まれている量に着目した規制となっています。 総量規制実施以前は、濃度による規制基準のみ行われてきましたが、人口や産業が集中し、 窒素やりんによる富栄養化や汚濁が激しい内湾や内海、湖沼などの閉鎖性海域での水質改善には効果的ではありませんでした。 東京湾や伊勢湾、瀬戸内海では赤潮が発生し、東京湾ではアオコも発生している状況にありました。 そこで、公共用水域の水質汚濁に与える影響が大きいCODについて、水質汚濁防止法の規定に基づき、 東京湾、伊勢湾、瀬戸内海で1979年から水質総量規制が実施されることになりました。5年ごと、現在まで8次にわたり実施されています。 2001年に基本方針が策定された第5次水質総量規制では、窒素、りんに関する規制が導入され、 20都府県の関係地域が対象地域となりました。その結果、東京湾、伊勢湾、大阪湾などの水域で水質の改善がみられましたが、COD、窒素、りんの環境基準達成率の改善はまだ不十分な状況です。
総量規制の対象となる閉鎖性海域として、東京湾・伊勢湾・瀬戸内海が指定されています。 この3水域と、これらに流入する河川等に排水している排水量50m3/日以上の特定事業所(工場、下水処理場など)が対象となります。
ご依頼の流れ
1)電話等でのお問い合わせについて お問い合わせの際は、 ①排水分析について ②ホームページを観て、 とお伝えください。 お問合せ先 TEL : 0120-01-2590 FAX : 048-886-2817 MAIL : dialogue@knights.co.jp 2)フォームでのお問い合わせについて こちらのフォームをご利用してお問い合わせください。
分析をご依頼される際には、いくつかの方法があります。 ①お客様採取 当社回収 ※回収費が別途かかります ②お客様採取 宅配送付 ③お客様採取 当社への持ち込み ④当社出張採取 ※出張採取費用がかかります
いずれも当社指定の採水容器での採水となります。 また、水質総量規制において、指定計測法で分析を行う場合には、コンポジットサンプラーを使用する 場合を除いて、1日3回の採取が必要になります。
※採水容器一例
採取に関するマニュアルもお渡ししておりますので、ご要望の旨お伝えください。
総量規制制度の分析については、結果をお出しするまでに2営業日いただいております。 そのため、報告書発送予定日に関しましては、2~3営業日となります。
分析結果のご報告は、報告書の他にも、結果の速報やWEBシステムによる結果確認のご要望にもお応えしています。
分析項目・方法(水質汚濁防止法 総量規制 排水基準)
○ 分析項目・方法 水質総量規制では、COD(化学的酸素要求量)、窒素含有量、りん含有量の3項目が規制対象となり、 成分濃度の測定、汚濁負荷量の記録が義務付けられています。項目名 | 分析方法 |
---|---|
COD (化学的酸素要求量) | 100℃における過マンガン酸カリウムによる 酸素消費量(CODMn) (JIS K 0102 17) |
窒素含有量 | 総和法、紫外吸光光度法 (JIS K 0102 45.1、JIS K 0102 45.2) |
りん含有量 | ペルオキソ二硫酸カリウム分解法 硝酸-過塩素酸分解法、硝酸-硫酸分解法 (JIS K 0102 46.3.1、JIS K 0102 46.3.2、JIS K 0102 46.3.3) |
排水量区分 | 水質の計測方法 | 測定頻度 |
---|---|---|
400m3以上 | 1. 自動計測器による計測 2. コンポジットサンプラーにより採水し、 指定計測法で計測 ※1.または2. | 毎日 |
200m3以上~400m3未満 | 1. 自動計測器による計測 2. コンポジットサンプラーにより採水し、 指定計測法で計測 3. 指定計測法による計測(2.を除く) 4. 簡易計測法による計測 ※1.~4.のいずれかの方法 | 7日を超えない排水期間 ごとに1回以上 |
100m3以上~200m3未満 | 14日を超えない排水期間 ごとに1回以上 | |
50m3以上~100m3未満 | 30日を超えない排水期間 ごとに1回以上 |
○ 基準値について 総量規制基準とは、指定地域内の特定事業場で、 1日当りの平均的な排出水の量が50m3以上の事業場から排出される排出水の汚濁負荷量について、定める許容限度のことです。 (水質汚濁防止法第4条の5) 総量規制基準は、以下の算出式により設定されます。
L(kg/日)=C(mg/L)・Q(m3/日)×10-3 COD Lc(kg/日)=Cc・Qc×10-3 c : COD 窒素 Ln(kg/日)=Cn・Qn×10-3 n : 窒素N りん Lp(kg/日)=Cp・Qp×10-3 p : りんP L : 排出が許される汚濁負荷量(単位:kg/日) C : 都道府県知事が業種・施設(大きく分けて215種)ごとに、COD・窒素・りんについて それぞれ定める値(単位:mg/L) Q : 業種・施設(大きく分けて215種)ごとに分けた特定排出水の量(単位:m3/日) ○ 基準値の算出方法 算式 : 特定施設の設置時期によって、算出方法が異なります。 COD Lc(kg/日)=( Cco・Qco+Cci・Qci+Ccj・Qcj )×10-3 ・・・・・式(1) 窒素 Ln(kg/日)=( Cno・Qno+Cni・Qni )×10-3 りん Lp(kg/日)=( Cpo・Qpo+Cpi・Qpi )×10-3 o ・ i ・ j : 時期の区分 業種別の一定濃度(C)と、特定排出水(Q)の時期区分
新増設の時期区分 | COD (Cc,Qc) | 窒素(Cn,Qn) | りん(Cp,Qp) |
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① 1980(昭55).6.30までに設置された施設等 | Cco,Qco | Cno,Qno | Cpo,Qpo |
② 1980.7.1~1991(平3).6.30の間に申請等を行い、増加した 特定排出量 | Cci,Qci | ||
③ 1991.7.1以降に申請等を行い、増加した特定排出量 | Ccj,Qcj | ||
④ 2002(平14)10.1以降に申請等を行い、増加した 特定排出量 | Cni,Qni | Cpi,Qpi |
例)特定施設番号;33 業種;ふくらし粉・イースト・その他の酵母剤製造業におけるCODの基準値の算出方法 (参考 : 埼玉県HP 工場・事業場排水の総量規制配布資料より抜粋) ※ 埼玉県については、平成21年4月1日より基準値Cが一部変更になりました! その他都府県につきましても、基準値変更に関して、詳しくは各都府県のHPでご確認下さい!
Ⅰ | 既設(①昭55年6月30日までに設置されたもの)の指定地域内事業所で、増設をしていない場合のCODの基準値(L値) |
①の時期以降増設がない場合、算出に必要な項はCco・Qcoのみになります。 よって、式(1)の各項に値を代入すると、 注1)①時期以降増設はないので、Cco=50, Cci=0, Ccj=0 注2) 〃 Qco=200, Qci=0, Qcj=0 となるので、以下のような計算になります。 | |
Ⅱ | 既設(①昭55年6月30日までに設置されたもの)の指定地域内事業所が、②の時期(昭和55.7.1~平3.6.30)に増設をした場合のCODの基準値(L値) |
この場合、「既設分の基準値」+(「②の時期区分に増加した排水量」×「②の時期区分の基準値」)が基準値(L値)となるので、必要な項はCco・Qco及びCci・Qciとなります。 よって、式(1)の各項に値を代入すると、 注1)Ⅰより Cco・Qco=50×200×10-3=10 注2)②の時期における増設分により Cci=50, Ccj=0 注3) 〃 Qci=50, Qcj=0 となるので、以下のような計算になります。 | |
Ⅲ | 既設(①昭55年6月30日までに設置されたもの)の指定地域内事業所が、②の時期に増設した後、更に③の時期(平19.9.1~平21.3.31)に増設をした場合のCODの基準値(L値) |
この場合、「既設分の基準値(L値)」+「②の時期区分の基準値(L値)」+「③の時期区分に増加した排水量」×「③の時期区分の基準値」が、最終的な基準値(L値)となるので、必要な項は全ての項になります。 よって、式(1)の各項に値を代入すると、 注1) Ⅰより Cco・Qco=50×200×10-3=10 注2) Ⅱより Cci・Qci=50× 50 ×10-3=2.5 注3) ③の時期における増設分により Ccj=40 注4) 〃 Qcj=50 となるので、以下のような計算になります。 | |
Ⅳ | 新設(④平19年9月1日以降)の指定地域内事業場のCODの基準値(L値) |
この場合、Qco・Qci及びCco・Ccjは「0」になるので、必要な項はCci・Qcjのみになります。 よって、式(1)の各項に値を代入すると、 注1)④時期の新設のみなので Cco=0, Cci=0, Ccj=40 注2) 〃 Qco=0, Qci=0, Qcj=200 となるので、以下のような計算になります。 | |
実績
排水分析では、様々な業種・性状の排水のご依頼をいただいております。 また、官公庁からのご依頼もいただいております。 ご依頼の多い排水の生活環境項目における1年間の検体数は項目により異なりますが、おおよそ20,000検体ほどになります。様々な性状のサンプルの分析にも対応出来ます。また、各種外部精度管理への参加も継続的に行っております。関係法令
当社発行資料
この他にも排水に関連するザ・ナイツレポートがあります。の排水分析からご覧になれます。 是非ご一読ください。 当社発行小冊子「埼玉県の水質規制について」 排水の管理を担当されていて、関係する法律が分からなかったり、法律に違反していたらどうするのかなど、 その度に調べる時間を取られたり、分からないまま困ったりしていませんか? このような声にお応えする為、埼玉県において関連する法律や、測定する項目について等をまとめた 「埼玉県の水質規制」小冊子を進呈しております!まずは導入編をご覧下さい! → お申込はこちらよくあるご質問
Q1: | 総量規制とは何ですか? |
A1: | 東京湾や伊勢湾など、汚濁が著しい広域的閉鎖性海域で、有機性の汚水や窒素、りんの排出総量を計画的に抑制する制度です。環境大臣が定めた基本方針に基づいて、都府県ごとに知事が計画を定め、発生源別の削減目標量および削減方法を明示することとなっていて、現在取り組んでいる第8次水質総量規制では、対象物質として化学的酸素要求量(COD)と窒素、燐が規制項目にあげられています。対象となる地域、施設において、排出量が1日あたり50m3を超える場合に規制がかかります。 |
Q2: | 総量規制のサンプルは3本採取しないといけないのでしょうか? |
A2: | コンポジットサンプラーを用いる場合を除いて、指定計測法で分析を行う場合には、3回の採取・分析が 必要になります。 |
Q3: | 各項目の報告下限値について教えてください。 |
A3: | 基準値はお客様毎に異なります。そのため、一概にお答えすることが出来ません。特定施設の設置時期、 業種毎に定められたC値、排水量などの情報から算出します。算出の仕方は当社ホームページにもございますので、一度ご確認下さい。 |
Q4: | 換算式の見直しをしなさいと指導がありました。どうしたらよいでしょうか。 |
A4: | 現場で自動計測器を導入されている場合には、CODにおいては換算式が必要になります。 その換算式は永久的に使い続けることが難しいため、見直しが必要になります。 当社において換算式の見直し、算出の業務も行っておりますので、一度ご連絡ください。 |